2006/05/27

錬金術

僕が錬金術を使えるって話しましたっけ?
まあ、どっちでもいいんですが、
皆様のご多分に漏れず、
僕は錬金術が使えるわけですよ。
いや、使えるというよりは、
仕えるといったほうが正解でしょうか。
錬金術が仕える。
違う、やはり、使えるでいいです。
僕は錬金術が使えます。
仕えるのは、僕じゃなくて、錬金術のほうです。
ほら、ちょっと皆さん混乱してきたでしょう。
これも、ちょっとした錬金術ですよ。
言葉の錬金術ですね。
 
こういうことってね、
あまり人前で話さないほうがいいとは思うんですよ。
皆さんの言うように、
僕には常に神秘的なイメージが
つきまとっている訳じゃないですか。
それが、また錬金術とか言い出すと、
その神秘性がさらに加速して、
重力の束縛を抜け出し、
皆さんの手の届かないような場所にいってしまうという
危険性を考慮しないわけにはいかないんです。
僕だって、ひとりは怖いんですよ。
それに、協会の決まりで、
一般人には錬金術の秘密を
話してはいけない事になっていますからね。
協会の食堂にも、
「錬金術の秘密を洩らすべからず。
もし、洩らしたものには・・・」
という手書きの張り紙が貼ってあって、
僕はいつもB定食を食べているときに、
その・・・の部分が気になって、気になって、
よく箸が止まってしまうんです。
いったい、何が起こるんだろうと。
きっと、とんでもないことが起きるに違いない。
僕は、製造ラインから外されてしまうのかもしれない。
受付担当にまわされてしまうのかもしれない。
でも一方で、その何かを知りたいという欲求もあるのは確かです。
秘密を解き明かすのは、
錬金術の醍醐味のひとつですから。
なので、皆さんには、
今日、この場で僕がこうして話しているということは、
大変なリスクを背負った上でのことなんだということを
考慮していただきたい。
もし、怖いのなら、これ以上読まなくてもいいです。
僕は、そのことによってあなたを責めたりはしない。
仮に、あなたが、
くまさんのプリントのはいったパンツをはいていたとしても、
僕はそれを非難したりはしません。
錬金術の錬は、
恋愛の恋でもあるからです。
また、言葉の錬金術を使ってしまいました。
 
最近、テレビを見てて思うのですが、
まあ、なんとホムンクルスの多いことか。
ホムンクルスって分かります?
ホムンクルスっていうのは、
錬金術で人工的に造り上げた人間のことです。
人造人間。
錬金術における、最高の禁忌。
それが、今のテレビ界にあふれかえっている。
特にお笑い芸人に。
 
安田大サーカスっているじゃないですか。
あれホムンクルスですよ。
素人の皆さんでも、うすうす感づいていたんじゃないでしょうか。
あんな人間いるわけないじゃないですか。
あんな人間がいていいわけがないっ!!
すいません、自分、ちょっと熱くなってしまいました。
ええ、あれ間違いなくホムンクルスです。
3人の内、2人がホムンクルスです。
団長とヒロがホムンクルス。
錬成したのはクロちゃんですよ。
まず、ヒロ。
あれは、完全に、分量ミスですね。
材料多すぎです。
で、ヒロに材料使い過ぎたために、
団長はあんなに小さくなっちゃったという。
まあ、いい線まではいったんですがね。
それに、人体を二つも錬成したおかげで、
クロちゃんは髪の毛を全て失い、
そのうえ、あんな変な声になってしまったんです。
等価交換の法則に従い、
代価を支払ったというわけです。
なんの代価も払わずに、人間が造れるわけないじゃないですか。
なんの代価も払わずに、人間が造れるわけがないっ!!
人というものは、そんなに安くはないっ!!
はぁ、はぁ、はぁ、
すいません、また熱くなってしまいました。
兄さんのことを思い出してしまったもので。
 
あっ、ちょっと待ってください、
今、協会からメールがきました。
なになに、
「本日付をもって貴公の配属を
お客様相談センターの窓口担当とする」
だって。
ああ、やっぱり・・・。

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